助成レポート

オンライン支援で見えた“本当の壁”(休校に伴う学習支援活動)

助成事業の概要

特定非営利活動法人国際比較文化研究所が運営する「まなぱる」は、未就学児から高校生までの子に多様な学びと経験の機会を提供する多目的民間教育施設です。今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下の全国一斉休校の際、子どもたちの学びを支えようとオンライン支援を始めました。
群馬県共同募金会では「赤い羽根 子どもと家族の緊急支援 全国キャンペーン」の一環で、この取り組みを支援しています。

子どもたちを取り巻く社会を、より良くしたい。

子どもたちに多様な学びと経験の機会を提供する多目的民間教育施設「まなぱる」は、3か所(安中市2・高崎市1)で現在300名以上の子が、英会話や5教科などの勉強だけでなく、多文化交流体験などを通じて、互いの考えや文化を尊重し合うことの大切さを学んでいます。
令和2年3月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響で、全国一斉に学校が休校となりました。「まなぱる」では、休校に伴う子どもたちの学習の遅れだけでなく、親と子それぞれがストレスを家庭内で抱え込んでしまうのではないか…と懸念し、支援のあり方を模索しました。

子どもたちに勉強を教える太田理事長


 

感染症流行下での工夫

学習の遅れを取り戻す支援をするために“オンライン授業”を始めました。子どもたちの生活リズムを調えられるよう、午前中での開催としました。こうしたちょっとした工夫で、家庭内のストレスを減らせれば…との思いからです。
また、オンライン授業で使う教材は、感染に注意しながら、直接親に手渡すこととしました。そうすることで親の話を聞いて気持ちを受け止めることができると考えました。また親同士も会話が弾んで、結果的にストレス解消となったようです。

オンライン授業の様子


 

浮き彫りになった「困ったときに頼る人がいない社会環境」

人との接点を制限されるなか、改めて浮き彫りになったのは、困ったときに頼る相手がいない…という現代の子どもたちの社会環境でした。普通に通学していれば大勢の中で紛れて見えなかったけれど、いざ“Stay Home”となると、頼る人が親しかいない、または親さえも頼れない子がいるということが見えてきました。
そこで、どの家庭でもよくつかわれているコミュニケーションアプリ「LINE」で、学習内容でわからないことを質問できるようにしました。「LINEオープンチャット」で試行開始し、利用料は無料。現在利用している児童は20名、先生は全員ボランティアで現在10名登録です。
実施方法は試行段階です。オープンチャットは匿名性が高いけれど、投稿した質問内容は登録する他の子にも見えるしくみです。学習の質問であれば他の子とシェアできた方が便利ですが、一方で、勉強以外のさまざまな悩みを“ポロッ”とこぼすことができません。
公式アカウント形式であれば、利用児童一人ひとりに個別向き合うことができるけれど、匿名性はないため、登録自体を躊躇する子もいるかもしれません。しばらくは試行錯誤が続きます。

 

支援の“壁”は、物的なものだけではありません。

今回、オンライン授業やLINEによる支援を始めてみて、気づいたことがあるそうです。
それは、「親や家族の意識」が壁になることもある、ということです。
ネット接続は、確かにハード整備が必要ですが、実は設備があってもオンライン授業に参加できない子もいるそうです。
家庭内でネットにつながりやすい場所を大人が占有していて子どもが使いづらい、とか。
子どもがスマホをもっていなくても、大人が持っていれば、その時だけ使わせてあげることもできるはずですが、そこまでの配慮の必要性を感じてもらえない、とか。

この学びの機会の差に、大人がどのくらい気遣ってあげられるか。
その影響は、学力の差だけではありません。
気遣いとは、相手を尊重すること。
子どものことを大人がどれだけ“対等に”尊重することができるか…共生社会を築いていく礎になるこの思想を、国際比較文化研究所では大切にしています。

共同募金はこれからも、地域の課題に気づいて動き出す人たちを、応援していきます。
 

国際比較文化研究所 太田理事長の「ありがとう」

 

助成先情報

特定非営利活動法人 国際比較文化研究所
〒379-0133 群馬県安中市原市3-4-8
http://www8.wind.ne.jp/mthc/
https://www.manapal.jp/
TEL 070-6659-5738

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