助成レポート 子ども・若者支援

【助成担当レポート】コロナ禍でも動じず社会課題に向き合い続ける(子育て支援)

助成事業の概要

特定非営利活動法人Annakaひだまりマルシェは、群馬県西部(西毛)・妙義山を望む安中市松井田町の商店街を拠点に活動しているNPOで、コミュニティカフェ「ひだまりカフェ」を運営しています。
今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下での全国一斉休校、その後も続く子育て世帯の不安や苦労に寄り添うために、手作り弁当の販売を通じたコミュニケーションを続けています。また、その中で見えてきた課題を深掘りすべくオンライン・ソーシャルワークも企画しています。
群馬県共同募金会では「赤い羽根 子どもと家族の緊急支援 全国キャンペーン」の一環で、この取り組みを支援しています。

社会課題を自分事として考える

全国一斉休校が始まったのが3月2日、その2日後にはすでに、Annakaひだまりマルシェ(以下「マルシェ」)はホームページで「新型コロナウイルス感染について現時点での見解と対策」を発信していました。(→マルシェのWEBサイト・プレスリリースを参照)
マルシェは、子育て支援、高齢者の暮らし支援、精神障害者のきょうだい会の支援など幅広く活動していますが、その始まりは「3.11」東日本大震災と、それに伴って発生した東京電力福島第一原子力発電所事故でした。以来、「暮らしの中の社会課題に向き合う場所」として、さまざまな分野・世代の人たちが、暮らしの中で何気なく立ち寄り、思いを交わす場として大切に時を重ねてきています。
今般の感染症流行下においても、客観情報を集めて自ら考え行動するという“社会課題と向き合うルーティン”を粛々と進めています。

マルシェ入口

松井田町にあるコミュニティカフェ

福島の写真展示

カフェ内で展示している「福島のいま」

 

新年度ならではの子育ての不安

緊急事態宣言下では、親子で出かけられる場所はほとんどありませんでした。スーパーでの買い物でさえ子ども連れで出かけることを憚られるなか、休校中の親子を応援するために、マルシェは「手作り弁当の販売」を始めました。親子で仲良く弁当を受け取りに来る家庭もあり、ホッとひと息つきながら、子育ての不安を口にする人も多くいました。特に、初めての入園・入学を迎えたお母さんは、家庭訪問や授業参観などが中止となり、担任の先生とも会えないまま、子どもの発育や学習の不安を誰にも話せず日々を過ごしていたとのこと。今回の取材時にも、そのときを振り返りながら「ここでの会話にホッとした」と話してくれるお母さんがいました。

入園時の不安を語ってくれたお母さん

カフェでホッとひといき

 

ボランティアのコロナへの考えを大切に

5月は週2~3日ペースで1日平均20食、多い日は50食も提供しました。学校再開後は月4~2日と減らしていきましたが、今でも継続しています。
この活動をはじめ、マルシェを支えているのはボランティアです。2017年から実施している「子育てサポーター養成講座」でマルシェの活動を理解する人も増え、コロナ禍においても進んでボランティア参加してくれる人が15名います。食材を提供してくれる人も増え、いただける食材によって予定していたメニューの変更もしばしば(笑)。
マルシェでは、コロナ流行が始まって早々に、ボランティアの関わり方を検討しました。今まで理事長の神戸さんがしていた法人運営の業務も“分解”し、在宅でもマルシェの活動に参加できるよう工夫しました。ボランティア自身のアイディアで手作りマスクやエコバック製作なども手掛けています。コロナ禍であっても何か人の役に立ちたい…ボランティア各々のコロナ禍への向き合い方を尊重し、マルシェが各々の関わり方をコーディネートすることで、みんながコロナ禍の社会課題に関心を持ち続けることができています。

ボランティアの日根野さん。「○○ちゃんはチーズが好き」と細やかに対応

ボランティアの佐藤さん。メニュー変更にも臨機に対応

手づくり弁当。おかずやご飯の量など細やかにニーズ対応しています。

歌声サロンでカフェを利用している寺島さん。弁当購入でマルシェを応援!

 

オンライン・ソーシャルワークの試行

全国一斉休校の混乱を何とか乗り越えた一方で、親世代は、今般のコロナ感染症流行により、在宅勤務など働き方に変化が生まれてきています。それに伴い、子どもたちと過ごしながら仕事をするという新たなスタイルに戸惑い、ストレスを抱え、人との接触が限られるなか、不安を誰ともシェアできないまま過ごしている人も多いのではないでしょうか。
マルシェでは、不安を解消できず抱え続けている人たちをつなぎ、withコロナの時代を自らの力で進んでいく力を引き出すために、「オンライン・ソーシャルワーク~人は人を浴びて人になる~」を企画しています。在宅勤務と育児・家事負担との新たなバランスを模索しているお母さん同士をつなぎ、語り合うことで心の中を整理するお手伝いをオンラインで試行します。

神戸理事長。ボランティア活動をコーディネートし、オンライン・ソーシャルワークにも挑戦!

今般のコロナ禍に限らず、社会課題は常にあります。一人一人が日常のなかで課題に気づき、自ら考え行動する、そんな市民社会の実践の場として、マルシェはこれからも日々コツコツと活動を続けていきます。

そして共同募金も、地域の課題に気づいて動き出す人たちを、これからも応援していきます。

マルシェのみなさんから「ありがとう」(左から日根野さん、齋木さん、佐藤さん、神戸さん)

助成先情報

特定非営利活動法人 Annakaひだまりマルシェ
〒379-0133 群馬県安中市松井田町松井田564
https://lunarumi0923.wixsite.com/annaka-hidamari
TEL 027‐384‐3131

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