-はじめに
はじめまして!私たちは高崎健康福祉大学のボランティア団体GMSに所属している学生のIとMです!今回は、群馬県共同募金会から配分を受けている団体へ私たちがインタビューを行い、レポートとしてご紹介します。
今回、知的障害がある方と学生がサッカーを通して交流する活動を行っている「TSUBASA FC」のみなさんにお話を伺いました。TSUBASA FCは、障害がある方は選手(プレーヤ-)として、学生は企画運営を主な役割として活動しているそうです。本インタビューでは、代表、選手、学生それぞれに参加したきっかけや、活動を通して感じたことなどについてお聞きしました。
―TSUBASA FCについて
2003年に障害がある方たちの自主的な活動として設立されたサッカークラブです。
メンバーは特別支援学校を卒業した18~46歳の知的障害がある人を中心に構成され、学生ボランティアや保護者会が活動を支援しています。現在、県内各地から約30名が参加しており、群馬大学や前橋市内のグラウンドで毎週日曜日に練習を行っています。
―主な活動内容
・毎週日曜日の練習、公式試合、練習試合
・ミーティングや選手役員会の開催
・高校サッカーチームとの交流会(障害理解やスポーツ啓発活動)
・県内の知的障害児向けサッカースクール(パラスポーツ協会と連携) 他
開始前の全体ミーティングの様子。当日の流れを共有しています。
■代表 Sさんへのインタビュー
―学生スタッフに運営を任せている点が大きな特徴だと思いますが、なぜですか?
Sさん:ボランティア活動は楽しく主体的に行うことが大切だと考えています。学生が自分たちで考えて行動することで、新しい価値観や関わり方が生まれると思っています。20年にわたる活動を通して実感しています。
―その中で、代表であるSさんはどのような役割を担っていますか?
Sさん:基本的に学生の活動を見守りながら、「場所の確保」や「資金集め」、「関係機関との調整」など環境を整える役割を担っています。必要に応じてアドバイスもします。
-活動を行うにあたり、大切にしていることは何ですか?
Sさん:相手の様子をよく観察し、わかりやすく伝えることを心掛けています。また、体を動かすだけでなく考える工夫も取り入れるようにしています。学生に対しても、例えば、障害の基本的な特性を伝えたうえで、実際に選手の行動を見て、学生自ら考えてもらえるようなアドバイスを行うこともあります。
―どのような人にこの活動を知って欲しいですか?
Sさん:卒業した選手たちやその保護者、先生など、参加者の周りにいる人たちに、普段とはまた異なる姿を知って欲しいと思います。また、サッカー経験の有無に関わらず、一緒に活動を楽しみたい一般の人にも活動を知ってもらい、興味があればぜひ参加してほしいと考えています。
練習プログラムは、選手たちが楽しく練習できるよう、工夫されていました。
■選手兼キャプテンNさんへのインタビュー
―TSUBASA FCに入ったきっかけは何ですか?
Nさん:高校の先生に紹介されたことがきっかけです。高校までサッカーをしていて、一度辞めましたが、先生に勧められてまた始めました。
―今後の目標は何ですか?
Nさん:TSUBASA FCをもっと有名にし、チーム力や人間力を高めていきたいです。また選抜チームでも活躍したいと思っています。
―チームに入る前と後で変化はありましたか?
Nさん:入る前は仲良くできればいいと思っていましたが、入った後はチームのためや自分の成長のために努力するようになりました。
キャプテンのNさん(中央)
■副監督Aさんへのインタビュー
―TSUBASA FCに入って、考え方が変わったことはありますか?
Nさん:私がTSUBASA FCに入ったきっかけは、障害がある方への知見や理解を深めたいと思ったことです。活動を通じ、多くの障害者と関わる中で、発達の程度やコミュニケーションの取り方には個人差があり、一人ひとり違いがあることを知りました。本やネットの情報で知ることと実際に交流して知ることは大きな差があるなと感じています。
―この活動を通して学んだことはありますか?
Nさん:活動を通して、人前で話すことが少しできるようになったと感じています。もともとは苦手でしたが、副監督としてたくさんの人の前で話したり、選手とコミュニケーションを取ったりすることで、少しずつ苦手意識がなくなってきました。このような経験を重ねる中で、学びというか成長を実感しています。
ゲームではフォーメーションなども考えるそうです。
■学生コーチMさんへのインタビュー
―選手とのコミュニケーションで気にかけていることはありますか?
Mさん:コミュニケーションを取ることが難しい選手でも、あきらめずに声をかけ続けるようにしています。そうしているといつの間にか、返答や表情の変化が見て取れ、「信頼関係ができているな」と感じることがあります。また、それぞれの選手の様子を見ながら会話をするように意識しています。
―選手との信頼関係を築くために意識していることを具体的に教えてください。
Mさん:友達のように接することを大切にしていますが、コーチとして注意すべき時はきちんと伝えるなど、親密さと厳しさのバランスを意識しています。
―注意する時に気をつけていることはありますか?
Mさん:強く怒り続けるのではなく、注意した後は気持ちを切り替えて普段通り接するようにしています。
―スタッフ同士での連携はありますか?
Mさん:練習後にミーティングを行い、選手の様子や気になることを共有しています。また、必要に応じて他のスタッフがフォローするなど密なコミュニケーションを取りながら連携しています。
―以上です。ありがとうございました!
選手もスタッフも練習中、ずっと楽しそうでした!
■インタビューを終えて
今回TSUBASA FCの活動に実際に参加し、インタビューを通して知的障害がある選手と学生がサッカーを通して交流している団体があることを初めて知りました。
学生が主体となって企画から運営を行っていることや、選手も役員として活動に参加している点がとても共感できました。「参加者とボランティア」という関係ではなく、「全員が主体者」という意識で活動している点がTSUBASA FCの特徴であり魅力であると思いました。選手も学生も自分たちで考えながら関わることで、お互いの距離も自然と近くなり、障害がある、ないにかかわらずお互いに良いところを活かして、楽しく活動できる環境が作られているのだと思いました。また自分たちで考えて行動することで発想力が養われたり、新しい価値観が生まれて、今までと少し違った関わり方が生まれるのだな、と感じました。TSUBASA FCの参加者は全員でサッカーを楽しんでいて、初めて参加した私たちもとても楽しませてもらいました!
インタビューレポートは以上となります。この記事を通して、障害がある人はもちろん関わる全ての人たちの視野が広がるきっかけとなれれば良いと思います。
ご興味ある方は、ぜひTSUBASA FCの活動に参加してみてください!!

※この記事は、高崎健康福祉大学のボランティア団体GMSの学生により企画、インタビュー、執筆されたものです。