助成レポート 社会課題

【助成担当レポート】市民でささえあう「グリーフケア」ネットワーク(NPO法人キッズバレイ)

助成事業の概要

特定非営利活動法人キッズバレイは、群馬県桐生市を拠点に、子育て世代の暮らしと仕事を応援するための地域づくりを進めています。活動に参加してくれる人のなかに、大切な人を亡くして深い悲しみのなかにいる人の存在を知りました。「グリーフケア」をもっと広く知らせていく必要性を感じ、市民活動ベースでネットワークを作っていこうと決意し企画しました。
群馬県共同募金会では「新しい活動を『つくりだす』助成」という“目玉助成”を3ヵ年実施し、この企画に注目していきます。
  • 1年目助成_2020年度報告書(pdf)ダウンロード
  • 2年目助成_2021年度報告書(pdf)ダウンロード
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    グリーフケアとは

    大切な人を亡くしたことによって起こるさまざまな身体的・心理的・社会的な反応のことを「グリーフ(悲嘆)」といいます。不安、落ち着かない、眠れない、涙がとまらない…それは誰にでも起こりうる自然な反応で、そのことを理解しながら受け止め、寄り添い、悲しみとともに暮らしていけるようケアすることが「グリーフケア」です。

     

    子育て世代の潜在的課題

    NPO法人キッズバレイは、群馬県桐生市を拠点に、子育て世代がいきいきと暮らし働くことのできる地域づくりのために活動しています。活動する中で、子育て世代が背負っている苦悩は多岐にわたること、特に親・夫・妻・子どもなど大切な人との死別や離別があっても誰にも相談できず、苦しみ続けている人がいることを知りました。暮らしを守るために感情を抑え、助けを求められず、自分の中で抱え込んで自らを責め続けている人がいる。そこに手を差しのべたいけれど、自分たちは心理学や福祉分野のプロではない、それでもできることはあるのか…と模索するうちに出会ったのが「グリーフケア」という言葉でした。

     

    グリーフケア・ネットワークぐんま『ことのは』 始動!

    「グリーフケア」を、市民の立場から理解を深め、互いを思いやる関係性を社会に広げていくネットワークを構築していくという、キッズバレイの新たなチャレンジが、令和2年度から始まりました。
    ありのままの自分の気持ち・ココロの言葉=「言の葉」を大切にしながら、丁寧に活動を広げています。

    「ことのは」設立記念講演会
    令和2年10月21日、「大切な人を亡くした悲しみ~こころの言葉に耳を傾けて」と題し、グリーフケアの第一人者、上智大学グリーフケア研究所特任所長の髙木慶子氏の講演会を開催。人それぞれの悲しみにどのように寄り添っていくかを示唆して下さる内容でした。ことのは発のレポートをぜひお読みください。
    外部リンク→ https://cotonoha.info/2021/01/08/__trashed/

    講演会を周知するチラシ

    「ことのは」の活動https://cotonoha.info/
    グリーフを抱えた人に寄り添うべく、3つの“場”を用意しています。
    ・ことのはカフェ(体験者同士の少人数でのお話会)
    ・ことのはオープンデイ(ものづくりしながらゆったりと時を過ごす)
    ・グリーフケアワークショップ
    グリーフケアに関心のある人が参加しやすいよう、形を変えて工夫しながら場をつくっています。

     

    場を広げていく第一歩(前橋市で初開催)

    法人の地元である桐生・太田地域で主に展開してきたカフェを中毛地区に広げるべく、令和3年7月に初めて前橋市で開催しました。
    いつもは3名ほどの参加者+ファシリテーターという規模のお話会ですが、今回は7名ものお申込みがあり、急遽、2グループに分かれてお話することになりました。
    参加申込のあった人へは事前にメールや電話で連絡し、安心して当日お越しいただけるよう工夫しています。中には、以前から「ことのは」をチェックしていたけれど遠くて参加できなかった、という方もいらっしゃったそうです。グリーフを抱えた人が各地に確実にいらっしゃる…と、改めてこの事業の必要性を認識しました。

    前橋での初開催・2グループ分準備の様子

    この日の振り返りミーティングでは、参加なさった方々の様子に細やかに配慮する様子がうかがえました。
    特に、参加する人たちの背景がさまざまであることに対して、どのように配慮したらよいか、熱心に話し合っていました。
    亡くされた方の続柄が同じであったとしても、もともとの距離感が違っていたり、経過年数も、その間の過ごされ方も、周囲との関係性も違っていて、「大切な人を亡くす」といってもけっして一括りにはできない。個々のグリーフのかたちがあることを、ファシリテーターのみなさんそれぞれが、心から深く、振り返っていました。

    グリーフケア・ファシリテーターのみなさん

     

    「市民がささえあうグリーフケア」の試行

    ことのはのファシリテーターは、グリーフケアアドバイザーの資格は取得していますが、あくまで「市民」として、当事者との対等な関係を大切にしながら活動しています。参加者との“共同作業”で共に安心安全な場をつくっていく、そのことで互いを尊重し合える地域をつくっていきたい…。市民活動としてのグリーフケア、という新たな試みは、このコロナ禍でさまざまな喪失を経験した地域社会における、人と人との関係性の再構築にも、きっと貢献すると思います。

    市民活動としてのグリーフケアを推進していくことで、多様な分野での協働も期待されます。
    グリーフケア × エッセンシャルワーカー
    グリーフケア × アドバンス・ケア・プランニング(人生会議)
    グリーフケア × こども食堂
    などのコラボレーションも模索しつつ、着実に広がっていくことでしょう。

    多様な協働が実現し、ひとりでも多くの人のグリーフに寄り添えるよう、共同募金はこれからも応援していきます。

    グリーフケアネットワークの概念図(企画書より抜粋・再編集)

    助成先情報

    特定非営利活動法人キッズバレイ
    〒376-0031 群馬県桐生市本町5丁目51 東武桐生ビル1階cocotomo101
    http://kids-valley.org/
    https://cotonoha.info/
    TEL 0277-46-7486

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