グリーフケア・ネットワークぐんま『ことのは』の啓発活動の一環で、講演会が開催されました。
誰もが一度は経験する、大切な人を失う悲しみや苦しみ。
その人にそっと寄り添い、理解し合うココロのたすけあいを、市民の手で広げていこうという試みが「グリーフケア・ネットワーク」です。共同募金の「新しい活動を『つくりだす』助成」で、このネットワークを構築する事業を応援しています。
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助成事業2年目となる今年は、より幅広く啓発していくために、「夜回り先生と考える命」と題した講演会を開催。講師は“夜回り先生”こと水谷修氏です。水谷先生の幅広いファン層をはじめ、より多くの人たちに、群馬でグリーフケアの輪が広がってきていることをアピールするとともに、グリーフケアで最も大切な「命の尊さ」を改めて伝え、関心を高めていきたいという思いで企画したそうです。
50人定員の会場参加分も申し込みは早々に満員御礼。オンライン参加分も100名近くの申し込みがありました。
当日、会場には多くのスタッフさんがいました。グリーフケアに関心をもって活動に参加するサポーターで、グリーフケアの現場を体験しながらファシリテーターを目指す人もいらっしゃるそうです。
参加しやすい“サポーター”という枠組みを設定して広げていくという、市民活動らしい素敵な取り組みです。
講演会で水谷先生は、さまざまな視点と事例で、若者の尊厳を社会が守っていく必要性を伝えて下さいました。いじめ・不登校・心の病・非行・薬物など若者を取り巻く問題を解決するためには、若者自身の解決力を高めてあげること。自分で自分を救う、その力を養うことを支援する。支援する人自身が幸せでないと、人を幸せにできない。そうでないと共依存になってしまう。…と、グリーフケアにも通ずるヒントをたくさんいただきました。
また、具体的な支援方法として、体を使うプログラムが有効であることもお話下さいました。家庭や学校、SNSでも評価や批判など他人の目に晒され心が消耗しがちな現代では、より一層“身心一如”であることを意識し、積極的に体を使うことでバランスを取り戻す必要がある、とのことでした。
この講演会での示唆は、『ことのは』が今後展開するグリーフケアに生かされていくと思います。
『ことのは』では、語り合う場だけでなく、ものづくりをしながらゆったり過ごす「ことのはオープンデイ」なども企画しています。身心一如を大切にし、心の回復に寄り添います。
また、グリーフケアに関するテキストも作成中とのことです。グリーフケアに関心をもった人が、サポーターになり、さらにファシリテーターになっていく…というステップづくりをしています。
一歩ずつ着実に進んでいる取り組みに、今後もぜひご注目下さい!